Otology & Neurotology 33:437-443, 2012
Paz Perez, Virginia Franco, Paz Cuesta, Patricia Aldama, Maria Jesus Alvarez, and Juan Carlos Mendez
Department of ENT, Otoneurology Unit, Hospital de Cabuenes, Gijon, Spain
良性発作性頭位めまい症 (BPPV) は、めまい診療で最も多い疾患で、全症例のうち2~4割を占めている。一年あたりのBPPVの発症率は0.6%であり、
一生のうちの有病率は2.4%である。発症年齢は60代と70代で最も多く、加齢と共にそのリスクは上昇する。
頭位変換によって生じる回転性のめまいが特徴的であり、首を伸ばしたり回したり、起き上がったり横になったり、
ベッドで寝返りを打ったときにめまい発作が起きるという症状を訴えることが多い。発作時には、歩行時の浮動感を伴う事が多い。
診断は、水平半規管型BPPVの場合、Dix-Hallpikeテストや、ロールテストで行う。後半規管型BPPVでは、一過性の持続眼振、
急速に横向き懸垂頭位にした時(Dix-Hallpike法)に、眼球上極が下側の耳に向かう回旋性眼振があるのが特徴である。
水平半規管型BPPVでは、現病歴や、仰臥位時の頭位変換眼振(Pagnini-McClureの手技)により診断する。発作性、純水平性方向交代性眼振、
クプラ結石型では上方、カナル結石型では下方向きである。後半規管型BPPVが最も症例の多い病型であり、外側半規管型、
前半規管型はあまり多くない。両側や別の半規管が原因となることもある。
BPPVについては、クプラ結石、カナル結石の2つの原因が提唱されている。クプラ結石型では微粒子沈殿物がクプラに付着し、
重力への応答を変えてしまい、加速度変化に過敏に反応するようになる。カナル結石型では、微粒子は内リンパの流動に応じて動き、
異常な加速度を作り、膨大部稜を異常に刺激し、症状が出る。
BPPVは基本的に孤発性であり、症例の5~7割が原発性・特発性BPPVであり原因不明である。原因のわかっているBPPVは、
ほとんどが頭部外傷によるもので、全症例のうち7~17%を占めている。他の二次性BPPVの原因は、ウイルスによる前庭神経炎・
迷路炎(症例の15%程度)、メニエール病(5%)、片頭痛、耳手術、長期臥床によるものが挙げられる。
微粒子を排出する手技はBPPVの治療として有効で、7割から10割の症例で有効であった。この手技は、半規管から石を前庭に動かすもので、
石は自然に吸収される。Epley手技、Semontの手技、Brandt-Daroff法(後半規管型)がある。水平反対方向に回転、ログロール、
姿勢保持が水平半規管型BPPVで用いられる。
症状改善までに要する手技の回数は1~3回程度である。改善までに10回以上の手技を要する症例もまれにある。
BPPVの再発率は、20~30%と言われており、5割に上るとする研究もある。性別・年齢・左右・原因・
治療成功後の不安定性は再発率に関係あるとする報告が多い。今回の研究の目的は、BPPVの再発率・再発までの時間・再発に関与する要素を調べることである。
BPPVの再発率は、研究によって、7%から50%程度と幅があるが、今回の我々の研究では、約4分の1にあたる27%で再発が見られ、
再受診している。2年間のフォローアップは短いと思われるが、以前に症状があって、初発ではないと思われる症例は対象に入れておらず、
総数が少なくとも、明らかに初発である症例のみを対象としているので、初発のBPPVの転帰に関するコホート研究としては正確である。
また、研究による再発率の違いは、フォローアップの方法の違いから来ていると思われる。多くの研究ではフォローアップを、
アンケートや電話調査により行っているが、今回の研究では、対象となる患者は、BPPVを疑う症状があれば、
再診等の予定があってもすぐに病院を受診するような方法をとっており、1週間以内にBPPVを評価できる方法で行っている。
また、この方法により、経過観察で改善するBPPVについても調査することができた。一般的に、BPPVは1ヶ月から2ヶ月弱で自然に軽快するとされており、
治療による改善か、自然軽快かがわかりにくかったが、この方法により明確にすることができた。ちなみに、
再来患者の3人に2人は実際にはBPPVの再発では無く、今回の調査により外来の負担が非常に大きくなることは無かった。
他の興味深い結果として、性差は関係ないということがあげられる。骨粗鬆症と関係があるとされ、男女比は2:3程度と言われてきたが、
今回の調査では、差が無く、治療後の経過についても明らかな差はなかった。また、年齢に関しても、関係が無く、
40歳以下では再発までの期間が長く60代では70代の2倍程度の再発率があるという従来の結果とは異なるものであった。
BPPVが右側に多いという従来からの説は確認されたが、左右での同側での再発率には差が無かった。再発自体は右に多く起きるが、
再発の37%は、反対側に起きていた。突発性・外傷性BPPVで複数回の発作が起きたことを考えると、複数の半規管もしくは両側の半規管に問題があると考えられる。
BPPVの重要なリスクファクターとして内リンパ水腫が従来から指摘されており、内耳障害によりBPPVを惹き起こされると言われているが、
今回の症例ではメニエール病はなく、このことについては不明である。ただ、前庭神経炎後にBPPVを発症した症例では、
1回のみ再発が見られており、症状の固定により、再発が起きなかった可能性が考えられる。
頭部外傷によるBPPVでは、複数の半規管が障害を受けるため、両側で発症する可能性が高いと言われているが、今回の調査では、
3例の頭部外傷によるBPPVの再発があり、そのうち2例は2回の再発が認められた。初回発作では、2半規管によるもので、再発時には、
反対側、別の半規管によるものであった。
BPPVの発作を繰り返す例では、半規管自体になんらかの病変があり、その部分が原因となって複数の半規管に結石をもたらし、
高率に再発をもたらすと考えられる。多くの症例で、治療後も軽度の平衡機能障害が見られたが、原因はわかっていない。
耳石による何らかの原因での現象と考えられるが、再発との関連は見られなかった。また、特発性のBPPVに比べ、前庭障害による二次性のBPPVにおいてよく見られた。
BPPV症状改善に要した手技の回数は、再発の回数を重ねるに従って増えており、手技によるデブリの移行に抵抗性であると考えられる。
今回の研究では、経過とともに診断方法・治療手技が徐々に改善していったが、なかでも、ビデオによる眼振録画は診断や手技に大きな貢献をした。
BPPVの再発率は高く、4分の1で生じる。また、再発の半分は半年以内に起こる。BPPVの再発は前回と同じ半規管で生じることは少なく、 BPPVの再発を疑った場合には、両側すべての半規管で問題が生じていないか精査する必要がある。また、複雑性のBPPVは再発のリスクが高い。
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