[ Main Page ]

音楽を聴くときは:コンサート聴取前後での若者の聴力の評価

Otology & Neurotology 33:1136-1141, 2012

Facing the music: pre- and postconcert assessment of hearing in teenagers.

Derebery MJ, Vermiglio A, Berliner KI, Potthoff M, Holguin K.
House Clinic and House Research Institute

目的 一回のロック・ポップコンサート前後で純音聴力や外有毛細胞の機能がどのように変化するか調べる。
研究デザイン コンサート前後で聴力を精査。
対象 13歳から20歳の29人の若者。
介入 ロック・ポップコンサートへの参加。
主な転帰の尺度 コンサート前後での両側純音聴力(500Hz-8kHz)、2,3,4kHzの平均、DPOAE、PTAにて10dB以上の変化を認めた症例。
結果 コンサートの音圧レベルは平均98.5dB(A)であった。3人は防護具を提供された。 コンサート後、2-6kHzの閾値は有意に上昇した(p ≦ 0.001)。両側2,3,4kHzのPTAの変化は6.3-6.5dBであり、 1/3の症例では少なくとも片方の耳で10dB以上の閾値上昇を認めた。また、DPOAEでも有意に振幅の減少(p ≦ 0.001)や平均振幅の減少(p ≦ 0.004)を認めた。
結論 一回のロック・ポップコンサート参加だけでも純音聴力閾値上昇やOAEの減少を認めており、外有毛細胞への障害が考えられる。 公衆衛生学的に安全な音圧レベルをさらに考えていく必要がある。

National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES)によれば、1988-1994のグループに比較し、 2005-2006のグループでは12-19歳での聴覚損失が31%程度増加しており、高音域の閾値上昇が特に顕著である。 また、2006年では、1/5の10代の若者は軽度以上の難聴がある。髄膜炎菌等のワクチンの普及により、 髄膜炎等で聴覚を損失するリスクは減っているのにもかかわらずこのような減少が起きている原因の一つとして、 学校等での音響外傷が考えられている。従来に比較し、携帯プレーヤー等の普及により過大音に曝露される機会が増えており、 コンサート等でも同様のリスクがある。従来の基準は労働環境をもとに、長いスパンでみた上で策定されてきたが、 動物実験等で、一回の曝露であっても永続的な傷害が残る可能性が示唆されており、新たな基準作り等が必要と考えられる。 また、一般の人々には、過大音の聴力への影響が過小評価されていることも検討課題の一つと考えられる。

Rule of Open-Source Programming #6: The user is always right unless proven
otherwise by the developer.

    -- Shlomi Fish
    -- "Rules of Open Source Programming"

I know I'm blond, but I have to colour my hair brown, so people would not
think I'm stupid. Because, like the title of the book says: "You've only got
Three Seconds".

Actually, since Amazon sent us two books like that, you've only got six
seconds.

    -- Shlomi Fish
    -- Shlomi Fish's Aphorisms Collection ( http://www.shlomifish.org/humour.html )


Powered by UNIX fortune(6)
[ Main Page ]