図1 移植後の肝炎の再発のリスクファクタ[4]
再発癌であっても初発と同様の基準に従って治療を行うことが多い。
第一選択は肝臓移植あるいは外科的切除であるが、ミラノ基準(3個以内で各々が3�儖焚爾泙燭話曳�で5�儖焚�) を満たさない場合や、癌の性状、肝硬変、患者の社会的背景により困難な場合、幕内基準を満たさない、 切除後の肝臓機能が問題になる症例や切除不能な範囲での再発症例には以下の治療法を選択する。
図1 移植後の肝炎の再発のリスクファクタ[4]
図2 生存率とリスクファクタ[6]
根治的肝切除後の５年累積再発率は77~100%と非常に高く、術後の死亡原因は肝機能不全(9%) ではなく癌の再発が大部分(82.5%)である[6]。再発率の低い治療法、早期再発発見、再発後の有効な治療法が重要となる[1]。
肝臓移植は、移植後の肝炎の再発のリスクファクターが、ドナーの年齢が50以上、ドナー入院期間が5日以上、 レシピエントの年齢が40以上、レシピエントのMELD score(1) が27以上、という結果が示されており[4]、最も有効であると考えられている移植による治療であっても、 その効果は大きく異なる。再発時に移植を選択するべきかは、以上のことを加味して決定する必要がある。
[6]では、生存率に関連するファクタがmacro vascular infiltrationであることが示されており、これが原因となって手術適用でなくなることが多く、根治的治療が不可能となる。このことからも外科的切除が最も適した治療法といえる。また、予後因子として、肝硬変、慢性活動性肝炎(CAH)、HCVが挙げられており、癌自体の特徴や形状等はあまり関係していないことがわかったことから、再発癌に対しては癌のみの治療でなく再発する肝臓という土壌や環境(肝硬変等)に対する治療が必要であると考えられる。
図3 部分焼灼術を施行AしないBした群での生存率の差(手術施行時期early=~1990, late=1991~)[3]
図4 二回目の切除後の三つの因子のある群(直線)と無い群(点線)との生存率の差[2]
[3]では、再発肝内癌に対するRFAが、初発癌に対して切除術を施行した症例に対して、 生存率の点から有効であるとしている。但し、予後が良いのは、肝内単発の再発であり、 肝内多発の再発や肝外での再発については依然として予後は良くなく、 これらのタイプの再発に対する有効な治療法は必要であることが述べられており、 最近になって発展してきたRFAによる治療はすべての再発に効くわけではない。
[2]では、再発後二回目の肝切除術後の予後を決める因子として門脈／静脈／胆管浸潤がない(P＜0.01)、 混合型(P＜0.01)、腫瘍径3cm以下(P=0.02)、癌の発達型(P=0.02)、線維性皮膜の存在(P=0.03)が挙げられている。 また、全体の生存率を決める因子として、二回目の切除時の門脈浸潤がない(P=0.01)、 初発時に単発である(P=0.01)、再発まで 一年以上である(P=0.02)、の三つが示されている。
以上のことから、再発肝細胞癌に対しては、可能な限り外科的切除や移植が望ましいが、 RFA等の治療が良いと主張する施設もあり、治療別RCTが行われていない現状では実際の成績は不明である。
[1] 肝臓外科の要点と盲点 文光堂 『再発肝細胞癌の切除適応は？』
[2] Selection criteria for repeat hepatectomy in patients with recurrent hepatocellular carcinoma. Ann Surg. 2003 Nov;238(5):703-10. Minagawa M, Makuuchi M, Takayama T, Kokudo N.
[3] Implication of frequent local ablation therapy for intrahepatic recurrence in prolonged survival of patients with hepatocellular carcinoma undergoing hepatic resection: an analysis of 610 patients over 16 years old. Ann Surg. 2006 Aug;244(2):265-73. Taura K, Ikai I, Hatano E, Fujii H, Uyama N, Shimahara Y.
[4] Effect of nonviral factors on hepatitis C recurrence after liver transplantation. Ann Surg. 2006 Oct;244(4):563-71. Cameron AM, Ghobrial RM, Hiatt JR, Carmody IC, Gordon SA, Farmer DG, Yersiz H, Zimmerman MA, Durazo F, Han SH, Saab S, Gornbein J, Busuttil RW.
[5] http://www.kanzou.net/report/04b_02.html 肝臓NAVI > 肝疾患情報（肝臓内科医向け） > 肝硬変の診断と治療ガイド > 重症度分類
[6] Early and late recurrence after liver resection for hepatocellular carcinoma: prognostic and therapeutic implications. Ann Surg. 2006 Feb;243(2):229-35. Portolani N, Coniglio A, Ghidoni S, Giovanelli M, Benetti A, Tiberio GA, Giulini SM.
(1) [5] MELD(model for end-stage liver disease) score: 肝硬変患者の予後予測、特に短期間内での予測にMELDスコアが優れている。 たとえばＭＥＬＤスコア40以上の例では、3ヶ月後の死亡率は80％以上である。3.8log e (bilirubin [mg/dL]) + 11.2log e (INR) + 9.6log e (creatinine [mg/dl] + 6.4 (etiology: 0 if cholestatic or alcoholic, 1 othewise)
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