1980年代半ば、John MadeyはStanford大学の終身教授だった。そこで、 彼はレーザ研究で素晴らしい業績をあげた。その後、Stanfordを辞めてDuke 大学での終身教授の地位を得られる機会がやってきた。 1988年にJohn MadeyはStanfordを去り、Duke大学の物理学科に移っ た。1989年に、John Madeyは彼の自由電子レーザー研究室をStanfordか らDukeに移した。その後、研究室がさらに成果を出した後、Duke大学と John Madeyとの間で、特許に関して議論になった。(Stanford大学に在籍 していた間、John Madeyはその研究室の機械のいくつかに関しての2つの特 許をとっていた。) まず、Duke大学側は、彼には研究室管理能力がないとし、決められた研究 分野以外に関して機械を使用していると批判して、その研究室の管理責任者か ら辞めさせようとした。 1997年にJohn Madeyは管理者の座から退き、その結果、1998年にJohn MadeyはDuke大学を辞職した。しかし、その後もDuke大学では研究室の 機械のいくつが使われ続けたので、John Madeyはそのことに関して2つの特 許を侵害しているとしてDuke大学を訴えた。(pp.1-2)
「研究、教育、実験目的」で使用する場合、特許使用に関して一般的な法律 の「例外」を認め、「単に実験のためで、利益性はない」として、John Mandeyの主張を却下した。(pp.3-4)
地裁で認められた、一般的な法律の実験的な用途に関して、利益を認める物 ではないという論証はJohn MadeyではなくDuke側が行なうべきだとした。 さらに、政府のOffice of Naval Research(ONR)の許諾の下での特許の条 項に不完全さが認められるとし、さらなる議論が必要であるとした。(p.10)
地裁に差戻し。
John MadeyがDukeと契約する時に、しっかりした条件のついた契約書を 作らなかったのが今回の裁判の原因の一つではないかと考える。最近は日本で も、研究員として就職する場合などに、様々な条件が詳細に書かれた契約書が 交わされるという話を聞いたことがある。遺伝子スパイ事件で知的財産に関し てかなり認識が高まったように感じるが、実際の法廷で争点になることがいく らか認識できたと思う。 ただ、争点にもなっていた”Common Law Exception”は大分限定されて いるようで、これが適用される場合があるのか疑問に思った。
鳥の疾病予防薬について、その接種方法についての特許のライセンスを持っ ているEmbrexは、Service Engineering Corp.らがその特許を迂回する研 究の過程で、Embrexの保有する特許を実施したとして、特許侵害で訴えた。 機械を売るというのは、方法特許に関して、実際にそれを実現する機械なし には侵害ではないが、商用目的でなされた行動は「実験的な特許の使用」とし て侵害とはいえないのではないかということが議論されている。(p.1)
実験的例外は、 “for amusement, to satisfy idle curiosity, or for strictly philosophical inquiry.” である場合に限って認められる。(p.7) Service Engineering Corp.のde minimis exceptionsの拒否を認め、実 験的な使用とは認めない。(p.10)
一部認め、一部退け、差し戻された。
p.7で特許侵害とならない例外について述べられているようだが、 “definite, cognizable, and not insubstantial commercial purposes” という、侵害になるのは具体的にどのように判断するのだろう。 また、“This court has construed both the experimental use and de minimis exceptions very narrowly. ”とあるが、de minimis exceptions 「ちょっとしたことの例外」とは具体的にどのようなことだろうか。 ただ、すでにある特許でない別の方法を新たに開発しようという場合でも、 すでにある特許を侵害する可能性が大いにしてあるということは、新しく開発 することを難しくはしていないだろうか。法律的には大変明確に分けられてい るのだろうけれど、自分にはかなりvagueな言葉に感じられた。
The American Lottery - all you need is a dollar and a dream. We will take the dollar, but you can keep the dream. Shlomi Fish -- Shlomi Fish -- Shlomi Fish's Aphorisms Collection ( http://www.shlomifish.org/humour.html ) A diplomat thinks twice before saying nothing. -- One of Nadav Har'El's Email Signatures.