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Danjaq LLC v. Sony Corp.

背景

もともと007シリーズは、Ian Flemingによってかかれた小説から生まれたが、McCloryによると、映画化にはあまり適さなかった。 そのため、映画化のためにFlemingは映画作家のJack WhittinghamをMcCloryとともに雇った。 そして、まず、Thunderballの前身が作られた。(p.2)その後、Flemingは新しく次の本を書いたが、 これはMcCloryのアイデアを使っていると訴えられた。同じ頃、DanjaqはJames Bondの映画を作る準備を進めていた。 これが、後にDanjaqの侵害裁判のもととなる。(p.3)

1997年10月に、Sonyは、McCloryからJames Bondの映画を作る権利を得た。 この頃、Danjaqは多くの James Bondの映画を次から次へと生産し、成功をおさめていた。 1999年3月に、SonyとColumbiaは、Danjaqと、免訴の取り決めをしたが、著作権侵害による損害については残っていた。(p.4)

要約

McCloryの主張は懈怠により無効である、というDanjaqの主張が主な問題となっていた。 (p.5)どれだけ遅れたか(p.6)、そして、それに正当性があるか(p.7)が議論の的である。

判決:

District courtが認めたように、Danjaqは懈怠が成立しているといえる。 そして、McCloryは故意的な侵害を成立することができない。そして、懈怠によりMcCloryの主張は認められない。(p.14)

感想その他:

特許の懈怠というのは聞いた事があったし、これについては賛成であるが、 著作権に関しても懈怠が認められるというのは個人的にはあまり腑に落ちない。

著作物はいつまでたっても同じ価値を持ちえるが、特許は技術という生物なので、 時間とともに価値が落ちていくのが普通であり、 昔の技術をいつまでも主張しているのは単に技術の阻害にしかならないと自分は考えているが、 本当にいつまでも使える特許がないわけではないので、まだ、少し考え中の部分もある。

2004年1月に、マシンビジョン特許訴訟(Symbol Technologies, Inc. v. Lemelson) でレメルソン財団が懈怠の法理を理由として敗訴になっているという判決があったようだが、 そこでは、今回と同様に"unreasonable and unexplained delay"の後の特許申請は認められなかったらしい。 このような特許の懈怠+権利主張はサブマリン特許とも言うらしいが、 去年、SCOがGPLのLinuxに特許があるとして突然訴えたという事件があったのを思い出した。 これも同様に、今まで権利を主張しなかったのに突然訴えるということは懈怠と言って取り下げられるのだろうか。 でも、同じ業界のIBMはOpen Sourceの世界に500もの特許を解放したようで、それぞれの企業の思惑はだいぶ違っているようだ。

参考記事:

レメルソンのサブマリン特許を撃沈、米コグネックス社が勝訴
まるでサブマリン特許が悪者であるようかのような題名である。 まあ、個人的には、特許に関しては懈怠を認めるのがいいのではないかという考えではあるが。
The Lemelson Foundation
IBM Pledges 500 U.S. Patents To Open Source In Support Of Innovation And Open Standards
You are only young once, but you can stay immature indefinitely.

Q:	How does the Polish Constitution differ from the American?
A:	Under the Polish Constitution citizens are guaranteed freedom of
	speech, but under the United States constitution they are
	guaranteed freedom after speech.
		-- being told in Poland, 1987


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