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脳波計 プリアンプ (2)

脳波計は各社から発売されており、動物実験用から医療用まで様々な機種が存在する。 今回は日本光電工業社から発売されている研究用の生体電気用アンプのプリアンプを見てみる。

MEG-5100 JB-101J

ABR等の脳波や心電図など様々な用途で使用できるプリアンプで、感度は5μV/Vから10mV/Vまで対応する。

回路

サービスマニュアルはないので、実機から起こした。プリアンプの回路は、2段の差動増幅+エミッタフォロワで、初段はペアFETの2SK146、2段目は2SA836、3段目は2SC1815による。2SK146はディスコンであるが、 2017年のカタログでも継続販売しているので、修理用を含め、大量にストックがあるものと思われる。また、研究用に使われることが多い機種なので、 医療用と違って通常より長く提供できると思われる。初段の定電流の回路が通常とやや異なり、 負帰還回路を含めた初段の差動増幅の電圧を2SK371のソースフォロアで低インピーダンス出力し、仮想グランドとしている回路が興味深い。 マイク等の平衡伝送回路ではグランド自体のインピーダンスがそれほど高くないので、そのまま計装アンプ等の差動増幅回路につないで問題ないことが多いが、 生体の電気のアンプでは、信号のインピーダンスだけでなくグランド自体のインピーダンスも高いため、少し凝った回路を使用しないとトータルで見てCMRRがなかなか稼げないことが多い。 心電図計では、グランドを差動増幅の中点をバッファしドライブする回路がよく用いられている(AD620データシート)。 保護回路のダイオードの型番は不明だが、おそらくツェナーダイオードを束ねたものと思われる。抵抗の定数は見れば見るほど巧妙に設計してあり、 決めてしまえば終了だが、設計者の思想が感じられておもしろい。 こういう機器は、一人神のような設計者(アナログ・グル)がいて基本をすべて作ってしまうのだろうか。

Bureaucrats by their nature are the exact opposite sort of people from startup
investors. The idea of them making startup investments is comic. It would be
like mathematicians running Vogue-- or perhaps more accurately, Vogue editors
running a math journal.

    -- Paul Graham
    -- How to Be Silicon Valley ( http://www.paulgraham.com/siliconvalley.html )

Beware of bugs in the above code; I have only proved it correct, not tried it.

    -- Donald Knuth
    -- Memo to Peter van Emde Boas ( http://www-cs-staff.stanford.edu/~uno/faq.html )


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