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第四回
悲しき音色〜その1
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「プログラムチェンジ」で起こる不幸とは!?ここに悲しい話がある。
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みでぃ村に住む、ぞうのぱおぱおは、とても音楽が好きじゃった。もともとピアノが得意な彼は、パソコンを手に入れMIDIで作曲をこなすようになったんじゃな。 |
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ある日、メロディーを考えながら森を散歩していると、花を摘む少女に出会った。 大作曲家パオーンの娘、ぷおぷおじゃ。 |
ひと目彼女を見た瞬間から、ぱおぱおの胸はどきどき、 |
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そう恋に落ちたのじゃ。
じゃが、シャイな彼にとって声をかけるなぞ、とうてい出来る事ではなかった。彼女が去ってゆくのを、ただただ見送るだけじゃった。 |
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その夜、せつなさに眠れぬ夜を過ごすぱおぱお。彼女への想いを曲にしていった。甘いメロディー、やるせないリズムが彼の部屋を満たし、静かな夜へ流れていった。 |
小鳥のさえずりが聞こえる頃、曲は完成した。「この曲を彼女に聞いて欲しい」熱い気持ちに、ぱおぱおはいてもたってもいられなかった。出来上がったデータをフロッピーに入れ、ぱおぱおはいそいそと森へ向かった。 |
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湖のそばまで来ると、おお!何と運のよいことか、ぷおぷおはちょうど水くみにやってきていたところじゃった。 |
「おはようございます!」 |
ただただ、曲を聞いてほしいぱおぱおは、思わず大きな声を出してしまい、自分の声に赤面してしまった。 |
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突然声をかけられたぷおぷおは、少しびっくりしたが、かぼそい声で応えた。
「おはようございます」
「あの、これ、あなたを、その、想って作ったんです」
「・・・」
「き、聞いてもらえませんか」 |
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