「初級MIDI講座」第五回
悲しき音色〜その2
聞いているうちに、とてもせつなくなってきた。せつなさで、目頭があつくなり、涙がこぼれてきた。果たして、彼の思いはぷおぷおに伝わるのか!?
「ふむふむ、これはMIDIのデータのようじゃ。わしの持っておるシステムで再生してみよう」
スピーカーから流れた音楽は、めちゃくちゃだった。とても厳格で、イメージにしびあーな大作曲家パオーンは、火のように怒った! 「こんなしろものを曲といつわり、愛する我が娘をまどわそうとするなど不届き千万!ぷおぷお、二度とこの男を相手にしちゃいかん!明日から森へ出かけてはならんぞ!!」
「こんなしろものを曲といつわり、愛する我が娘をまどわそうとするなど不届き千万!ぷおぷお、二度とこの男を相手にしちゃいかん!明日から森へ出かけてはならんぞ!!」
せつなさに胸がつぶれそうになりながら、ぱおぱおは来る日も来る日も、ぷおぷおを思って曲をつくり続けた。
ああ、この悲劇!なぜこんなことになったのか。
この方法じゃと、作った曲のデータを他の人に聞いてもらうには、同じ作業をその人にしてもらわなきゃいけなくなる。それじゃ具合が悪い。そこでMIDIデータの中に音色指定の情報を入れておいてやる。 それがプログラムチェンジ情報なわけじゃ。 では、これを入れておいてやれば、ぱおぱおのような悲劇は起こらなかったか?
それがGM規格じゃ! GMのマークが付いている音源であれば、メーカーが違ってもいちおー音色の配列をそろえてある。GM規格に準じた音源を使い、ちゃんと「プログラムチェンジ情報」音色を指定して作られた曲のMIDIデータは、GM規格の音源を使って再生する限り大きくイメージが損なわれることは無くなったわけじゃ。(ソフトシンセサイザーS-YXG50、S-YG20もGMに準拠している)
ところが1994年、このGMをずっぽり飲み込んだ、とんでもないフォーマットがYAMAHAから発表されたん。
それはXGじゃ!